桜の咲く頃……… 君を想う
「ホントに、春人が言った通りだよ。
後藤君………ごめん。
……………ありがとう。
二人の結婚を見て、何にも進展のない自分に焦ったのかもな。
行動してないんだから………
進まなくて当たり前なのに。」

教師という立場が長いせいか…………

自分の悪いところを素直に悪いと認めるのが…………苦手だ。

ついつい理屈をつけて、自分を正当化してしまう。

「やっと亨ちゃんが、素直になった。
私が高校生の頃から無理に理由をつけて、桜から逃げてたもん。
これで桜も幸せになれるかな?」

そういうとニッコリ笑ってる。

「幸せになれるかなどうかは、分からないけど。
先ずは、つきあえるように………
木下さんに、告白してみるよ。」

「そう、それ!!
その『木下さん』っていうのを、先ずは止めたら?
桜ちゃんって素直に呼んであげて?
桜も気にしてたよ。
私は玲奈ちゃんだし、夏苗は夏苗ちゃんなのに………って。
そりゃあそうだよね。
自分だけ名字にさん付けって………距離を感じて当たり前だよ!」

びっくりした………。

まさか、そんな事を感じていたなんて。

教師の………

それも時間が空いた相手に、馴れ馴れしく愛称で呼ばれるなんて

嫌だろうと思って、敢えてそう呼んでいたのに。
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