笑顔の行方
酔いがまわり、ウトウトしていたおばさんが。
兄貴達の手にしているカバーを見て…………
「ほらっ、寧々。
早く着替えなさい………。
洋介達がお迎えに来るわよぅ。」と……。
そう。
この生地は、あの日みんなで行った水族館で着ていたワンピースなんだ。
あの日の思い出は
大きくなった今でも一番だとよく話している。
その大切な日に着ていたワンピースは、おばさんの手作り。
多分、余りの生地で作ったんだろう。
なんせ、ワンピースは『娘が出来たら着せる!』と言って
大切にタンスに収められてるから。
「………………もしかして?」
「あの日の……………」
「ありがとう、寧々。」
ようやく解った3人が、感慨深げに眺めている。
「そんなにマジマジと見ないで!
縫い目はバラバラだから。
彰人君は大切だけど…………
みんなもやっぱり大切なの。
今回………
『あのとき命を落としていたら』って思った時。
浮かんだのが水族館の想い出と………
悲しむみんなの顔だったの………………。
大切な人達を悲しませるところだったと思うと同時に………
あの水族館の頃から………
私には、大切な人がいっぱい出来たんだなぁって思って。
お母さんと二人で過ごしていた頃は………
自分さえ、大切だと思えなかったのに。
大切にされて、自分もまわりも…………
ホントに大切なんだって知ったの。
それを教えてくれたみんなに……………
私は、自分の命を粗末にして…………悲しませたから。
……………ごめんなさい。
そうして………………ありがとう。
大好きだよ。」
………………くそっ。
不覚にも、寧々に一番大事なことを教わった。
兄貴達の手にしているカバーを見て…………
「ほらっ、寧々。
早く着替えなさい………。
洋介達がお迎えに来るわよぅ。」と……。
そう。
この生地は、あの日みんなで行った水族館で着ていたワンピースなんだ。
あの日の思い出は
大きくなった今でも一番だとよく話している。
その大切な日に着ていたワンピースは、おばさんの手作り。
多分、余りの生地で作ったんだろう。
なんせ、ワンピースは『娘が出来たら着せる!』と言って
大切にタンスに収められてるから。
「………………もしかして?」
「あの日の……………」
「ありがとう、寧々。」
ようやく解った3人が、感慨深げに眺めている。
「そんなにマジマジと見ないで!
縫い目はバラバラだから。
彰人君は大切だけど…………
みんなもやっぱり大切なの。
今回………
『あのとき命を落としていたら』って思った時。
浮かんだのが水族館の想い出と………
悲しむみんなの顔だったの………………。
大切な人達を悲しませるところだったと思うと同時に………
あの水族館の頃から………
私には、大切な人がいっぱい出来たんだなぁって思って。
お母さんと二人で過ごしていた頃は………
自分さえ、大切だと思えなかったのに。
大切にされて、自分もまわりも…………
ホントに大切なんだって知ったの。
それを教えてくれたみんなに……………
私は、自分の命を粗末にして…………悲しませたから。
……………ごめんなさい。
そうして………………ありがとう。
大好きだよ。」
………………くそっ。
不覚にも、寧々に一番大事なことを教わった。