後輩くんは溺愛を隠せない
「でしょ?せっかくお金かけて行くなら、心から楽しんで満足してもらいたい。
そうすれば、また行きたいと思ってもらえるかもしれない。
ーー売上とか、実績とか、私は別にどうでもいいの。
お客様に満足してもらえれば、自然と実績はついてくる。私はそう思って仕事してるよ。」

実際に売上が悪いわけでも、実績が悪い訳でもない。
もちろん人それぞれで、高い宿を進めて売上を上げる人もいる。

「紗知先輩......っ」

夏樹くんが、何故か震えた声で言った。

「ん?」



「カッコイイです!」


「え......?」



どこが?


今のどこにカッコイイと思う要素があったんだろうーー?



「俺も、紗知先輩みたいになれるように頑張ります!」



夏樹くんが、私の真似をするのは違うと思う。


だって、夏樹くんは既にこの店が扱っている宿を覚えている。


きっと、頭がいいのだろうーー私とは違うやり方の方が、上手くいくと思う。


ーーだけど、やる気になっている夏樹くんを否定するつもりも無い。

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