【演歌歌謡曲】佐伯達男のこころ歌
いもたきさん
恋人たちで

にぎわった

浜辺

伊予路の夏が

終わる頃

虫の声が

聞こえる、浜辺

今年もまた

やってきました

8月の終わりの

いもたきさんの

季節がまた

やって来ました

鶏肉(とりにく)のおつゆが

たっぷりとしみた

小さな里芋(いも)を

食べた時に

思い出した

俺が、愛した

あの娘と

別れる前の夜

あの娘が作ってくれた

いもたきさんを

二人で食べながら

思い出を

語ろうと

したけれど

言えないまま

次の朝

あの娘と

泣いて

別れた


子供の頃に

遊んだ

川辺

伊予路の夏が

終わる頃

虫の声が

聞こえる川辺

今年もまた

やって来ました

満月の夜の

いもたきさんの

季節がまた

やって来ました

ひとりぼっちで

鍋をつつきながら

演歌(うた)を

歌っていたら

涙が、こぼれた

俺が大好きな

おふくろと

別れる前の夜

おふくろが

作ってくれた

いもたきさんを

食べながら

母と子で

いろんな話を

したけれど

次の朝

目をさました時

おふくろは、もう

いなかった

ひとりぼっちで

いもたきさんを

食べるたびに

泣けてくる
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