【女の事件】女王蜂~魔女になってしまった花嫁さん
第7話
9月7日頃のことであった。

やすあきは、ショッケン…いえ、ケーオーグループから追放されたあと、再就職に向けてシューカツをしていた。

しかし、面接で不採用ばかりがつづいていたのでジボウジキにおちいっていた。

『あなたの就職意欲はわかるけれども、うちは人を雇うことができないのだよ。』『うちはきびきびと動いてくださる人じゃないと雇えないのだよ。』『他をあたってくれるかな…』…

…などの理由で、面接が不採用になっていた。

ひどい場合には、ケーオーグループをやめたことを理由に不採用という事案もあった。

『ケーオーグループにいた方がいい特典が多くあったのに…』『ケーオーグループの方がお給料は安定しているよ…うちは、超安月給だけどやって行くことはできるの?』『ケーオーグループの社長さんは、昔からの友人だから、ケーオーグループに戻れるようにお願いしておこうか?』

ブチ切れを起こしたやすあきは、シューカツを放棄した。

なんなのだよ一体…

面接に行けばどこもかしこもケーオーグループケーオーグループケーオーグループと言いやがって!!

ケーオーグループへ戻れと求職者に命令しよんか!!

シューカツを放棄したやすあきは、ひとりぼっちで喜田村のマクドへ行って、脂身が多いメニューを注文して、ひとりぼっちで食べていた。

この時、店内に社内恋愛のカップルさん3組が来ていた。

そのうちの一組のカップルが事前撮りのロケの話をしていたので、やすあきは『オドレらはオレのことをグロウしている!!』と怒って、ものを投げつけてイカクした。

「オドレキューデン!!オドレらのせいでオレの人生はぼろぼろになったんや!!ぶっ殺してやる!!」
「イヤァァァァァァ…」

社内恋愛のカップルさんが悲鳴をあげながら店から出て行ったので、やすあきは『フン、ざまあみろ。』と言うたあと、席に戻った。

そこへ、80代の清掃の女性が心配そうな表情でやすあきの元へやって来た。

「やすあきさん…やすあきさん…」
「ああ…」
「あんたどしたんで?何でショッケンの社内恋愛のカップルさんに物を投げつけて『ぶっ殺すぞ!!』っておらぶのよ?」
「社内恋愛のカップルがオレの人生をズタズタに壊したからやっつけた!!あいつらは職場の敷地使って、婚前の事前撮りのロケをしている…シャホウでぼくたち結婚しますと言うている…あいつらはオレに社内恋愛ができないので残念だったなと言ってグロウしたのだよ!!ガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンしてガマンして…ガマンしてガマンしてガマンしてガマンして…ここまで生きてきたのに…なんや…ぶっ殺すぞオラ!!」
「イヤァァァァァァ…」

やすあきは、他の二組の社内恋愛のカップルさんのもとへ行って、男性従業員さんふたりのこめかみを怒りを込めてグーで殴り付けた上に、女性従業員さんの顔を平手打ちで叩いてしまった。

「オドレキューデン!!殴らせ!!」

(ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!バシッ!!バシッ!!)

「オドレらのせいだ!!オドレらのせいだ!!ワーーーーーーッ!!」
「やすあきさん!!」
「何やオドレ!?」
「どうして社内恋愛のカップルさんに暴力をふるうのかしら!!」
「オレはグロウされたのだから被害者なのだよ!!正当防衛でやりよんや!!あんたは入ってくるな!!」

やすあきは、このあともシツヨウに社内恋愛のカップルさん二組を殴り付けていた…

ボロボロに傷ついて逃げ出した従業員さん二組を見たやすあきは『フン、ざまあみろ。』と言うたあと、その場にへたり込んだ。

女性従業員さんは、ものすごくあきれた声でやすあきに言うた。

「あきれたわもう!!あんたね、このさいだから言わしてもらうけど、あんたのせいで社内恋愛のカップルさんが楽しみにしていた事前撮りが中止になったことが原因で、しほこさん…ここクビになったのよ!!」
「それがどうかしたのですか!?しほこはオレを裏切ったのだよ!!しほこは、カレのことをまだ思い続けているのだよ!!」
「やすあきさん!!」
「しほこは、オレと結婚しても…好きな男の…しかも…オレの部下の男のことを思い続けていた…だから、思いきり殴って、大ケガをおわせて、オレの部下に傷ついたしほこの姿を写メでおくったった!!」
「どうしてお嫁さんにきつい暴力をふるうのかしら!!」
「だまれ!!オレはしほこにグロウされたのだよ!!正当防衛でしほこを殴ったんや!!」
「あんたいいかげんにしなさい!!あんたはなに考えとんかしら!!ちょっとでも気に入らないことがあればお嫁さんにきつい暴力を加えるなんてサイテーね!!あんたの両親が虫ケラ以下だから、あんたはDV魔になったのよ…あんたね!!この際だからしほこさんと離婚をして頭を冷やした方がいいわよ!!」
「(ひ弱な声で)そうします…」

やすあきは、女性から離婚しろと言われた時、しおらしい表情で『そうします…』と言うたが、その直後に表情が少し青ざめていた。

女性は、具合が悪い表情をしているやすあきにこう言うた。

「あんたね!!具合が悪い顔している場合じゃないのよ!!自分のお嫁さんに暴力ふるうわ、ショッケンの従業員さんたちにパワハラセクハラマタハラを繰り返すわ…そななことばあい繰り返しよるけん、天罰を喰らったのよ!!いいきみだわ…フン…」

やすあきに吐きすてる言葉をぶつけた女性は、背中を向けてその場から立ち去った。

やすあきは『フン、どーでもせぇ…』と言う表情ではぶてまくっていた…

その日の夕方5時過ぎのことであった。

ところ変わって、織田ヶ浜にて…

やすあきは、ひとりぼっちで夕暮れの海をながめながら、オフコースの歌で『さよなら』を歌っていた。

その時であった。

キューデン本社に勤務しているOLのみえこ(21歳)がやすあきに会いに来ていた。

「みえこ…」
「課長…」

やすあきの元へかけて行ったみえこは、やすあきに抱きついて甘えていた。

「課長…みえこ…さみしかったわ…みえこ……さみしかった…」
「みえこ…」

みえこと再会できたやすあきは、かんきわまっていた。

「みえこ…みえこ…」
「抱いて…アタシを抱きしめて…アタシ…カレと別れたの…」
「そうか…オレのために別れてくれたのか?」

(ブーン!!ブーン!!ブーン!!…チクッ…)

この時、しほこの乳房(むね)の奥から飛んできたスズメバチがみえこを刺した。

みえこを刺したスズメバチは、より猛毒性が強い毒を持っている。

その毒は、みえこを介してやすあきに送りつけるために注入された。

やすあきとみえこは、衣干のヤマダ電機の近くにあるラブホへ行った。

ところ変わって、ラブホの部屋にて…

みえこをベッドに寝かせたやすあきは、無我夢中でみえこの身体をむさぼっていた。

やすあきは、みえこのふくよかな乳房を180分にわたって、そのまま眠った。

やすあきは、みえこのことが好きになったあと、知らないうちに深みにはまって行くのであった。

9月9日のことであった。

やすあきは、みえこをしほこの実家へ連れて行った。

やすあきは、しほこの父親の前で『しほこと離婚する…しほこがオレをグロウしたのだよ…あんたがオレとみえこを別れさせたのだから、離婚届の保証人になれや!!拒否したら知人の知人を介してタジマ(やくざ組織)の組長呼ぶから…』と言うた後、刃渡りのするどいナイフを出して、グサッとたたみに刺した。

しほこの父親は、やすあきのオドシに屈して離婚届の保証人の欄に名前を記載して、ナツイン。

しほこの父親がやすあきとみえこと再婚をすることは認めることはできないと言うたので、やすあきはさらに破壊力がメチャメチャ強いハンマーを出して、おどした。

怖くなったしほこの父親は、やすあきとみえこの再婚に必要な書面の保証人の欄にショメイナツインをしてしまった。

するとやすあきは『助かったよ…じゃあな…』としほこの両親にへらへらした表情で言うたた後、みえこと家を出た。

やすあきは、これでしほこを後始末することができたのでめでたしめでたし…と思っているけど、やすあきのからだにみえこが持っている猛毒が入り込んでいたと言うことにゼンゼン気がついていなかった。

言い換えれば、しほこの怒りがやすあきへ向けられたと言うことだ。

やすあきはこの後、みえこを介してからだに注入された猛毒によって、もがき苦しむのであった。
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