【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
学校指定のネイビーのカーディガンだ。
「早く着てくんない?」
「……でも」
借りちゃってもいいのかな……?
葵くんだって濡れてるのに。
私がグズグズ躊躇っていると、葵くんは今日何度目になるかわからない溜め息をついた。
「俺だって男なんだけど」
……と、私の胸元に視線を動かした。
「え……?ぎゃっ……!?」
嘘……。
雨のせいで濡れたワイシャツがピタリと身体に貼り付いている。
下着のラインまでしっかりと強調されて、慌てて胸元を隠す。