【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
「俺、甘いの好きだよ?」
そう言いながらずいっと顔を近づけてくる。
近っ……。
不意打ちはズルいってば、葵くん……。
「で、でも。海ちゃんがすごい量の砂糖入れちゃったから、ホントに甘いかも……」
実際、試食したけどかなり激甘だったもん。
何個も食べてる海ちゃんの味覚は絶対ヤバい。
「それは美味そうなもの作ったね。俺にもちょうだい?」
え……?
そこへ、私と葵くんではない声が舞い込んでくる。
「や、八雲先生……!?」
驚いて振り向くと、太陽を背にした八雲先生が立っていた。
「甘党なんだ、俺も」
「や、八雲先生が?意外です……」
ビックリした。
八雲先生がいきなり声をかけてくるから。