【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?


「お前のこと見てると甘やかしたくなるんだよね」


「も、もうっ。葵くんってばやっぱりちょっと過保護……」



────グイッ


それは一瞬だった。


私が文句を浴びせていると、あっという間に腕を掴まれて……。


そして、瞬きをするよりも早く、葵くんは私を抱きしめた。



「葵くん……?」



突然のことで、状況が飲み込めない。


葵くんの胸にすっぽりおさまって、私は身動きすらとれない。


今まで、こんな風に強く抱きしめられたことはなくて……。

< 248 / 300 >

この作品をシェア

pagetop