【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
*冷たい雨


* * *


「あーー!ほんっと悔しいっ!結局クラス総合も2位だったなんてね!?」


「あははっ。悔しいけど、でもやりきったじゃん。だから来年リベンジしようね!」



残念ながらクラス優勝には至らなかったけれど、清々しい気持ちになれた。


それに、無事に体育祭は幕を閉じて、ホッとしてるっていうのが私の正直な気持ち。



「じゃあ、雪永さんは放送機材を室内に。雨野さんはそのテントのシートを、体育倉庫までお願い出来る?」


「うん!わかった!」



私と海ちゃんは体育祭実行委員と一緒にボランティアとして後片付けをしていた。


そして、室内へ向かった海ちゃんと別れ、シートを抱えてひとり校舎側の体育倉庫を目指す。



ふと……あれ以来使われることのないあの体育倉庫の前を通って、足を止める。

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