【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
「葵くん……みっ、見ないでよ!てか……なんでいるの……っ?」
「境界線は越えてないからいいでしょ?」
「そっ、そうだけど……」
いや……そ、そういう問題じゃない。
“胸きゅん不可避”
“ドキドキの声続出!”
“可愛すぎ。離してやんない”
さらに葵くんは私の前に腰を降ろすと、そう書かれた反対側の帯を覗き込んで指さした。
「そういうこと言われたいの?」
まるでからかうような口ぶり。
だから、そうやって不意打ちで近づいてこないでほしい……。
「……いやあの、女子なら誰でも一度は、憧れるんじゃないの……かな?」
ただしイケメンに限ると言いたかったけど葵くんは誰が見てもイケメンだから、その言葉を飲み込むはめになる。