【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?


それでも、それでも、と私は思う。


イタズラで、お父さんはこんなことをされる人じゃない。


警察官として、地域の人とのふれあいを大切にお父さんは日々戦ってきた。戦っている。


どんな小さなことにだって耳を傾けてきた。



────8年前の、あの日だって。



「……っ、」


胸が、苦しい。

あの事件を思い出すといつだって、苦しくなる。



────“でも、そのせいでひとりの人が死んだんじゃん!”



今でも、罵倒する声がすぐそばで聞こえる。



「雨野……?大丈夫、じゃないよな」


八雲先生の絞り出す声。

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