わたしには刺激が強すぎます。
ゆりちゃんに見透かされ、わかりやすく肩が反応した私は、逃げるようにお弁当の蓋を開けた。
今日のお弁当は、カツとじ丼。
お母さんにお願いして作ってもらったんだ。
勝負事があるときに縁起の良い、カツ。
この作戦で、勝つ…!
「ま、まぁ、戦ってるわけじゃないんだけどね」
「やっぱよからぬこと、考えてんじゃん。」
ガッツポーズをしたものの、ゆりちゃんにじろっと睨まれてすぐに手を下ろした。
…だって。
尚くんを好きなの、やめられる気がしないんだもん。
私は丼を掻き込んで、ゆりちゃんはコッペパンをちぎっては口に放り込む。