冷酷王子は子リス姫を愛でる
囚われる心
【キャサリン】



殿下の甘さというか…私をからかって楽しんでいる姿はまるで少年のようだと思う。



「私がいなくても、しっかりやれてるじゃないですか‼︎もう、ジョアンはこの世に思い残すことはございません‼︎」



戻ってきてくれたジョアンに、正妃は私らしいと言うことを伝えると、今まで見たことのないくらい上機嫌。



ジョアン、なんだか太った…?



「なにか、あった?」

「えっ?わかります?やっぱり、幸せというものは滲み出てしまうものですわねー」

「いや、見た目が…少し…」

「こんな歳だし、私のような年増には結婚なんて無理だと諦めていましたの。そしたら…求婚されてしまいましたのよ‼︎」



相手は移動に使った船の船長さんらしく。



確かに『遅いなぁ…』とは思っていたけど、まさかそんなことになっていたなんて…。



「お受けしたのよね?」

「私にはキャサリン様のお世話がありますもの。お断りしました」

「えっ?」

「私もこのシュナウト王国に住むことになる。そしたら、離れて暮らすことになるのですよ。それなら、近くにいる方と幸せになってもらいたいのです」

「そんなのダメよっ‼︎どう見てもジョアンだって相手の方を好きでしょう⁉︎」

「どう見ても…?」

「だって‼︎太っ…ふくよかになったじゃない‼︎」

「そうですか?」



とにかく、これは由々しき自体。



ジョアンの恋を実らせなければ気が済まない‼︎



< 121 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop