冷酷王子は子リス姫を愛でる
待て、知っている。



『フィン…か?』

『あぁ、そうだ』



子どもの頃、一緒に遊んだ。



これは、俺の別人格?



あれは、俺の中の友達だったのか?



火の魔法も、コイツが教えたものだ。



『殿下は魔術の才能が生まれつきございますね』



そう言ってた魔導師の言葉。



あぁ、そうじゃなかったのか。



俺の友達、フィンだ。



『お前は俺の中から出たいのか?』

『出られるならば、出ているぞ。出られないから、こんなひ弱な体にとどまっているのだ。少し考えればわかることだろ、バカが』

『そうか、共存しなければならないのだな』

『まぁ、そう言うことだ。久しぶりの女は極上だったな。アレは聖女の生まれ変わりか?たまらなく、気持ちが良かった』

『キャシーは俺のだ』

『いやいや、俺たちの、だ』

『何がしたい』

『このまま出られることもないのだ。聖女と楽しくやれ。俺はたまに美味しい思いをさせてもらう』



そんなの、許せない。



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