冷酷王子は子リス姫を愛でる
フィンにはたまらないご馳走なんだと、そう言われた。



「変な魔王ね」

「アンドリューが悪いのだ。コイツは悪行を働く気がない。お前と家族、民の幸せばかり考えている…」

「それがアンディですもの」

「俺も、そんな生き方をしていれば…魔王なんて言われずに済んだのではないかと思ってしまうのだ」



『悪』にならなければ、滅びなかったのではないかと、少し悲しそうに言った。



いつも粗暴で、破廉恥なことばかり言うフィンが、なんだか可愛く見える。



「いやらしいことは、あなたとする気はないわ」

「なら、抱きしめてくれ…」

「ん、おやすみなさい、フィン。良い夢を…」

「おやすみ、キャシー…」



弱っているような、そんな気がして、私より大きな体を抱きしめて眠りについた。



フィンとまともに話したのは、初めてかもしれない。



アンドリュー様が憎めない気持ちも、少しわかった。



きっと、この顔でこの声で…どんなにひどいことを言ったもしても、私も憎めないのだろう。



だって、彼は彼の一部なのだから。




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