冷酷王子は子リス姫を愛でる
武器を持たず、自給自足のような我が国には隣国の公爵様の方が脅威になるようだ。



姉の旦那様になった公爵様は王家の血を引く方で、ぽっちゃり体型に笑顔がとても素敵な紳士だった。



それに、嫁いだと言うのに姉を頻繁に里帰りさせてくれたり、一緒に帰省したりと、とても好感が持てる方。



初めは泣いていた姉も、公爵様の優しさで心が溶けて、相思相愛になるまでにはそれほど時間はかからなかった。



「姉様、港にイカが沢山上がったようですよ」



弟のリチャードは、年齢よりも大人びて見える。



気の弱い父は、いつまでも気が弱く、見かねた姉や宰相、執事達が弟の教育にとても力を入れたのだ。



そのおかげか、頭もキレるし、立ち振る舞いなんかは他の国の王族にも引けを取らないと思う。



それに、前の世界で言う『イケメン』なのだ。



金色の髪は少し癖があり、瞳も同じ金色。



身長も同じ歳の子と比べると高く、スラリとした長い手足と、蕩けるような天使の微笑み。



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