冷酷王子は子リス姫を愛でる
たまに兵士と手合わせをすると噂になれば、メイドが訓練場に意味もなく増えるのだ。


残念なことに、本命からは見向きもされていないようだがな…。



「まずはデートにでも誘ったらどうだ?」

「誘ってみる…。この旅が終わったら、ちゃんと誘う」



頑張れ、アレン。



目的地までは移動だけで1週間かかる。



仕事をしながらの移動で、頭も使いながら。



「殿下っ‼︎しばらくお待ちをっ‼︎」

「何事だ?」

「前の馬車が賊に絡まれているようです」

「私が出る」



座り通しでバキバキの体。



運動でもしないとやってられない。



「お前たち、この紋章が何を意味するのかわからないのか?」

「王族さんだろ?だからどうした。俺たちは盗賊。ただ奪うだけだ‼︎」



奪えるものならな。



久しぶりにアレンが剣を抜き、俺は魔力で対抗する。



「殺さないように手加減するのが難しいな」

「全くです‼︎僕は誰も殺したくないですけどね‼︎」



1ヶ月、長い旅になるな…。



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