【女の事件】十三日の金曜日
第11話
(ジャラジャラジャラ!!ジャラジャラジャラ!!)

ところ変わって、JR伊予三島駅の近くのアーケード通りの商店街にあるマージャン店にて…

家にひろのりが来ている時であったが、久秀は職場の仲間3人と一緒にかけマージャンを楽しんでいた。

久秀は、ふきこに対する怒りをさらに強めていたので、心が大きく壊れていた。

たばこをくゆらせながら、アルコール類をのんで、脂っこい丼ものを食べながら、ひと晩中かけマージャンを楽しんでいるなかで、東の席に座っている仲間が久秀にこう言うた。

「おい…」
「なんだよ…」
「久秀…」
「なんだよ…」
「お前…いいのかよ…」
「なんだよ急に…」
「お前さ…このままでいいと思っているのかと聞いているのだよ…」
「このままでいいと思っているのかよって…」
「お前さ…家で待ってくださっている家族の気持ちを考えたことあんのかよ…」
「やかましい!!家のことは出して来るなと言うただろ!!」
「何で急に怒り出すのだよぉ…」
「家にいたくねーんだよ!!」
「どうしてなんや?」
「兄嫁のことが気に入らねーのだよ!!」
「お前、まだ兄嫁さんのことが気に入らねーと怒っとんかい。」
「ああ!!そうだよ!!」
「兄嫁さんのどういうところが気に入らねーのだよ?」
「兄嫁がえらそうにしているから気に入らねーのだよ!!」
「えらそうにしているから気に入らねー?」
「そうだよ!!」
「そんなふうにはみえへなんだけど…」
「どうしてそんなことが言えるのだよ!!」
「あのな…兄嫁さんはお前に気に入られるように一生懸命になって努力をしているのだよ。」
「そんなふうにはみえん!!」
「どうしてなんだよ…兄嫁さんはお前に気に入られるように一生懸命になって努力しているのだから…」
「やかましい!!同じ事をを言うな!!気に入られるように一生懸命努力しているだなんてふざけているよ!!」
「久秀…」

この時に、南の席に座っている仲間が東の席に座っている仲間にこう言うた。

「おい…」
「なんだよ…」
「あんまり言うなよ…」
「だけどな!!」
「やめとけよ…久秀は、兄嫁さんがキライやと言うてはるのだから、家の話を出すなよ!!」
「なんでアカンのや!!」
「久秀は、兄嫁さんどころか、実家の家族をもキライやと言うてはるから、今の久秀は何を言うてもアカンねん。」
「おい…」
「オレの家も同じなんだよ!!」
「どうしてそんなことが言えるのだよ!!」

南の席に座っている仲間は、セブンスター(たばこ)を取り出した後、たばこに火をつけながらこう言うた。

「オレの家の場合はサイアクなんだよ!!兄嫁はな…お給料日ごとにオレのもとへやって来て『貯金してあげる』と言っておいてぎょーさん取って行くのだよ!!貯金だなんて大ウソなんや!!」
「お前の兄嫁は…お前がかせいだお給料をたかった後にどこへ行っているのだよ?」
「オヤジのノミ代に回っていたのだよ!!貯金だなんて言うておいて、オヤジのノミ代に回していたことがわかったので…オレは兄嫁のことを許すことができねー!!オレは酒のみのオヤジのしりぬぐいのために働いているんじゃねえのだよ!!」
「お前のオヤジは兄嫁に甘えてばかりいるからクソバカやのぉ。」
「ああ!!そうだよ!!」
「おい、もうやめろよ…お前のオヤジかて、さみしいさみしいさみしいと言うているのだぞ…わかっとんやったら、帰ってやれよ。」
「よしリーチだ!!」

この時、西の席に座っている仲間がリーチと言うた。

すると、南の席に座っている仲間と久秀もリーチと言うたので、東の席に座っている仲間はものすごくイライラとしていた。

「たばこ…たばこ!!」
「ヘイヘイ…ほれ…」

東の席に座っている仲間は、負けが込んでいたのでものすごくイライラとしていたから、たばこを口に10本くわえて吸っていた。

「おい…そないにやけをして吸っていたら喉頭ガンになるぞ…」
「やかましい!!」

4人は、このあとひと晩中かけマージャンに夢中になっていた。

翌日の正午のことであった。

ふきこは、久秀のお弁当の時間になったのでいつものように久秀が勤務している職場へ行って、お昼のお弁当を一緒に食べることになっていた。

しかし、久秀は仲間たちと一緒に一晩中かけマージャンを楽しんだ後、家に帰らずにそのまま行方不明になっていたので、ずる休みをしていた。

ふきこは、久秀が勤務している職場の休憩室へ行って、久秀はどこへ行ったのかを男性従業員さんに聞いてみた。

この時、ゆうべ伊予三島のマージャン店へ遊びに行ってた従業員さんがふきこにこう言うた。

「あいつね…もう2度とここへはきやへん(来ない)と思うねん。」
「2度とここへは来ないって…どう言うわけなのかしら?」
「せやから、来てもむだやと思うよ。」
「そんな…」

この時、久秀と一緒に一晩中かけマージャンをしていたもう一人の仲間の男性従業員さんがふきこにロコツな言葉をまぜて言うた。

「あんたさ…ダンナをないがしろにして久秀にのめり込んで、抜け出せなくなったのじゃないのかなァ?」
「えっ?」
「えっ?じゃねえだろ…ダンナをないがしろにして久秀のことが好きだと言うているつらしているじゃねえかよぉ。」
「そうだよ…なんとか言えよ。」
「兄嫁さーん…あんた、おじいさまの介護と言うて、ベッドの上でえげつないことをしていたのだろ!!」
「そーだよ!!」
「だから、あんたは久秀にきらわれているのだよ!!」
「わかってんのだったら、久秀にあやまれよな!!」
「そうだよ!!」
「あんたは、ダンナと結婚前に何人男をつまみぐいをしたのかを数えてみろよ!!」

従業員さんたちが口々にふきこのことを攻撃していたので、ふきこの心はズタズタに傷ついた。

男性従業員さんたちから攻撃的な口調でののしられたふきこは、国道11号沿いをとぼとぼと歩きながら考え事をしていた。

アタシはどうして…

従業員さんたちから強烈な言葉の暴力をうけてしまったのか…

アタシは…

何の落ち度もないのに…

どうして、義弟にきらわれたのだろうか…

こんなことになるのだったら…

結婚しない方がよかったわ…

アタシ…

人生の選択を…

あやまってしまったみたい…

アタシ…

本当は…

結婚以外にも生きて行く方法があったのに…

結婚しか幸せになれる方法がないなんて…

あんまりだわ…

ふきこは、久通の家で暮らして行くことに限度を感じていたので、広永さん夫婦に離婚することを申し出ることを検討していた。

そして翌日の朝のことであった。

久通の家に、ふきこの居場所がなくなった深刻な事件が発生した。
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