【女の事件】十三日の金曜日
第22話
それから1ヶ月後の5月1日頃のことであった。

ゴールデンウィークの期間中であったので、まさのりが勤務している自動車教習所には大勢の若者たちが入所していた。

教習所は、ものすごくいそがしい状態になっていた。

たけのりが勤務している工場はゴールデンウィークの期間中も通常通りのお仕事であったが、工場の経営者がいつもよりも仕事の量を100倍入れていたので、従業員さんたちはあわただしく動いていた。

ところ変わって、三島村松町にある工場にて…

作業場には、親会社からいただいた段ボール折りのお仕事が山のようにあったので、たけのりたち従業員さんたちはしぶしぶとした表情ではこおりをしていた。

経営者の男性は『ゴールデンウィークの期間中に休みを与えたら従業員たちが怠けるから仕事の量を増やしてやったのだぞ!!与えられた仕事に文句言わずに働けや!!』と怒鳴りつけたあと『コロンボ(パチンコ屋さん)へ行こかいの~』と言うて、口笛をふきながら工場を出て行った。

それからしばらくして、たけのりたち従業員さん5人があきよしに詰めよって行ったあと、仕事を押しつけていた。

「オラ強姦魔!!」
「なんだよぉ…」
「オレたち、ちょっと打ってくるからさぁ…工場の中にある段ボール全部折っといてくれるかなぁ…」
「オレが全部段ボールを折るって!?」
「そうだよ…」
「わかってんのだったら先輩からの命令に従えよ!!」
「そうだぜ!!」
「強姦魔!!」
「不起訴魔!!」
「無罪ホウメンになったからと言うていい気になるんじゃねえよ!!」
「分かっとんだったら先輩からの命令に従えよ強姦魔!!」

あきよしは、たけのりたち5人のグループからきついイジメに遭ってしまったので、心の中で怒りが蓄積されていた。

たけのりたち5人は、あきよしに『強姦魔』だと言うてきついイジメを与えて、あきよしから現金を奪い取った後、作業着を着たまま職場放棄をして、歩いて三島のバス停まで行った。

三島のバス停に着いた時のことであった。

たけのりたち5人は、どこへ行こうかと話をしていた。

「どこへ遊びに行く?」
「サテライト(競輪の場外車券売り場)へ行かへん?」
「チャリ(競輪)しに行くか…いいね…行こうか?」

この時に、バス停の向かい側でまさのりの家の近所の奥さまが、たけのりたち5人が工場の作業着を着たままサテライトこまつの送迎バスに乗って行くところをラクラクホン(ガラホ)の動画で撮影していた。

近所の奥さまは、たけのりたちが作業着を着たままサテライトこまつの送迎バスに乗って行くところを動画で撮影したあと、知人のスマホにメールで送りつけた。

その後、まさのりの家へたかりに行った。

ところ変わって、妻鳥町にあるまさのりの家にて…

近所の奥さまは、回覧板を持って行くふりをして、家に行った。

奥さまは、たけのりたちが作業着を着たままサテライトこまつの送迎バスに乗り込んで行くところを見たので、一体職場で何があったのかと言うたあと、カネを出せと言うてふきこをおどしていた。

「ふきこさん…ふきこさんにちょっと聞くけれども…おたくの義弟さん…いつ頃からケイリンするようになったのかしらねぇ…」
「えっ?それはどういうわけなのでしょうか?」
「どういうわけって…今日は工場お休みなのかしら?」
「えっ?今日は…勤務日ですが…」
「勤務日なのに、職場放棄をしてサテライトこまつへ遊びに行くなんて…たけのりたちが勤務している工場の経営者は頭がいかれとんとちゃうで…」
「奥さま!!奥さまはアタシに何をおっしゃりたいと言うのでしょうか!?」
「何をおっしゃりたいって…ふきこさん…あんたにも落ち度があると言うことに気がついてへんみたいねぇ…」
「奥さま!!言いがかりをつけるなんてあんまりですわ!!」
「言いがかりをつけているのはふきこさんの方でしょ!!」
「奥さま!!帰ってください!!」
「帰ってくださいって…あんたね!!この最近生活態度が悪いみたいね!!だから義弟さんが職場放棄をしてギャンブルに狂ってしまったのでしょ!!あんたもしかして、ダンナ以外に男を家に入れとんじゃないのかしらね!!ほんならあんたの義弟が職場放棄してサテライトへ行きよった動画をあんたのダンナのケータイへ送信するから!!あんたが男をつまみぐいしていた過去をばらすこともふくめて、近所中に拡散するわよ!!」
「どうぞご勝手に!!」

(バターン!!)

ふきこは、思い切りキレてしまった後にドアをバターンと閉めた後に、居間に駆け込んで行った。

奥さまは、容赦なく問題の動画とふきこの男性遍歴をムサクイに拡散させていた。

家の居間に駆け込んだふきこは、その場に座り込んだあと、右手で髪の毛を思い切りかきむしっていた。

何なのよ一体…

何なのよ一体もう!!

義弟が職場放棄をして、ギャンブルに狂ってしまった原因がアタシだなんて…

どー言う関係があると言うのよ!!

キーッ!!

もうダメ!!

アタシ…

きちがいになりそうだわ!!

ふきこは、さらにイライラをつのらせていたので、より強い力で髪の毛をかきむしっていた。
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