【女の事件】十三日の金曜日
第21話
話は、3ヶ月前の2017年1月13日の夜10時過ぎのことであった。

場所は、東京吉祥寺の井の頭公園にて…

「イヤァァァァァ!!やめて!!イヤァァァァァ!!」

井の頭公園で、帰宅途中の21歳の女子大生が黒のジャンパー姿の男に襲われて、ボロボロに傷つくまで犯された後、首を絞められて殺された事件が発生した。

容疑者の男は、東京の大学に在籍中の30歳の男であきひろの弟のあきよしであった。

あきよしは、東京の大学に在籍をしていたが、12年間にわたって休学をしていたので怠けグセがついたあげくに、強姦殺人事件を起こしてしまった。

あきよしは、数年前にも井の頭公園の近くで強姦未遂事件を起こしていたので、前科があった。

あきよしは、2月20日に裁判で証拠不十分で無罪になったので、シャクホウされた。

しかし、あきよしは亡くなられた女子大生の遺族をグロウしていたので、父親が激怒していた。

父親は、立川で暮らしている知人夫婦にお願いをしてあきよしを川之江へ強制的に帰郷させる準備をしてほしいとお願いをした。

あきよしは『東京を出たら、2度と県外には出ません…女子大生の遺族のみなさまに謝罪をした後は近づきません…大学をやめた後は川之江へ帰って、製紙工場で地道に働きます…家族と仲良く暮らします…父親の言うことを聞きます…など…500の項目を父親の知人の前でヤクソクして、公正証書に残して、署名なつ印した。

あきよしは、あきひろがゆかこと強制入籍してから数日後に、身元引き受け人の男性と一緒に金生町下分の実家に4月2日の午後3時頃に帰って来た。

その日の夕食時のことであった。

家の居間の食卓には、ゆでた豚肉がたくさん入っているごま和えサラダが置かれていた。

食卓には、ゆかことあきひろとあきよしと両親がいた。

食事の前に、父親はあきよしに厳しい表情であきよしに怒っていた。

「あきよし!!オドレはどこのどこまでうぬぼれているのだ!!裁判で無罪を勝ち取ったから神さまは味方してくださったと言うツラしとるようだから、殴りつけてやろうと思っている!!あきよし!!殴るぞ!!」
「おとーさん…おとーさんやめて!!」
「オドレはだまれ!!ワシがいよる間は口をはさんでくるな!!」
「おとーさん…」
「ワシはこの家の家長だ!!家長の言うことにしたがえ!!あきよし!!明日からは製紙工場で段ボールの折り畳みの仕事だけをするのだ!!与えられた仕事に文句言わずに、地道に働いておカネを稼げ!!あきよし!!えらそうな顔をしてとうさんの顔を見るな!!」
「やかましいんだよ!!」
「えらそうな顔をして何だ!!ワシの言うことが聞こえないのか!!」
「おとーさんやめて!!…あきよし!!おとーさんに刃向かわずに素直にしたがいなさい!!あきよしはえらそうに言える身分じゃないのよ!!裁判で無罪になったのは、ケーサツが捜査をもう一度やり直すための一時的な措置なのよ!!(立川で暮らしている父親の知人)さん夫婦があきよしのためにいろいろと動いてくださったので、ここへ帰ることができたのよ!!その事は忘れないでちょうだい!!わかっていたらおとーさんにあやまりなさい!!この家はおとーさんがなにもかも権限をにぎっているのよ!!おとーさんの命令にしたがいなさいといよんのが聞こえないのかしら!!」
「義母さま!!やめて!!…あきよしさん…義姉さんも一緒にあやまるから…おとーさんにあやまろうね。」

ゆかこは、あきよしに一緒にあやまろうねとあきよしに言うてから、あきよしにあやまらせた。

「ゆかこ!!」
「おとーさん…もうやめて…あきひろがお腹をすかせているからもういいでしょ…あきよし、ごはんが終わったらおかーさんと大事なお話しをしましょう…ゆかこさん!!みんなが食べるサラダをお皿に入れなさい!!…ったくなんなのかしら、なまけていないでキビキビと動きなさい!!」

ゆかこは、つらそうな表情でサラダが入っている大きめの容器から小皿にサラダを分けていた。

サラダが全員に行き渡ったあと、家族はごはんを食べていた。

しかし、あきよしは悲しい表情をしていたので、ひとくちも食べていなかった。

そんな時に、兄のあきひろがあきよしにやさしく言うた。

「あきよし、元気出せ…せっかく義姉さんがゆでた豚肉のサラダを作ってくださったのだぞ…」
「なんだよぉ…オレはひとりぼっちなのに…」
「あきよし…ひとりぼっちじゃないんだぞ!!オレもゆかこもオヤジもオフクロもいるんだよ…あきよしはひとりぼっちじゃないんだぞ!!」
「そうよ…あきよしさんはひとりぼっちじゃないのよ…」
「それに…ここにいれば学校の時の友人だってたくさんいるのだよ…あきよしだけがつらいんじゃないのだよ…」

ゆかことあきひろからやさしく声をかけられたあきよしは、ひとりぼっちじゃないのだと言う表情で晩ごはんを食べていた。

あきよしは、川之江へ帰郷した後はまじめに暮らして行こうと言う気持ちになっていたが、世間の目はあきよしをにらみつけていた。

家族は、もう一度やり直して行こうと決意したが、そんな時に恐ろしい悲劇が襲いかかるのであった。

ところ変わって、妻鳥町のまさのりの家にて…

まさのりの家は、ゆかこが家を出たのでフジをやめたふきこが代わりに専業主婦をすることになったが、まさのりの母親はふきこがゆかこと違うことばかりをしていたので、アレコレケチをつけるようになっていた。

まさのりの母親は、ふきこに家庭のことを全部押し付けてパチンコへ行ってた。

ふきこは、心の中でくすぶっていた不満が爆発しそうになっていた。

夕食時の時であった。

母親がおつゆのだしの取り方が全然違うとふきこにねじ込んで来たので、ふきこは義母と大ゲンカを起こしてしまった。

「ふきこさん!!なんなのかしらこのおつゆのだしの取り方は!!ゆかこと違うことをしているじゃないのよ!!」
「義母さま!!アタシは一生懸命になって努力してがんばっているのに、どうしていちいちいちいち文句ばかりが言ってくるのですか!?だしの取り方が気に入らないのであれば食べないでください!!」
「ええそのつもりだわ!!ふきこさんが作った晩ごはんなんか食べたくもないわよ!!」
「義母さま!!義母さまはアタシのどういうところが気に入らないとおっしゃるのですか!!義母さまがアタシのことを攻撃して来るのであればアタシ、まさのりさんとリコンするから!!」
「じゃあそうしなさいよ!!」
「アタシはね!!本当は好きな人と結婚したかったのに、あんたがどーしてもどーしてもどーしてもどーしてもどーしてもと言うから仕方なくまさのりさんと結婚したのよ!!」
「ふきこさん!!ふきこさんはまさのりをグロウする気でいるわけなのかしら!!」
「キー!!なんなのかしら一体!!義母さまこそ、アタシにいちゃもんつけたのだから許さないわよ!!」

ふきこと母親がひどい口調で大ゲンカを起こしている現場を聞いたまさのりは、思い切りキレていたので『上等だ!!リコンと言うならリコンしてやる!!』と怒鳴りつけたあと、母親とふきこをボコボコに殴りつけたあと、部屋の中に閉じこもってしまった。

ふきこは、こんなことになるのであればまさのりとリコンして女ひとりで生きて行きたいと思うようになっていたので、ふきこの心は大きく傷ついていた。
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