【女の事件】十三日の金曜日
最終回
それからまた1年後の2019年9月のことであった。

ゆかこは、かつひことはリコンをしたが、ゆかこの両親がかつひこの家から援助を受け取っていたのでリエンすることができなかった。

ゆかこは、なつひこ(かつひこのきょうだい・郵便局勤務・38歳)と再婚した。

なつひこは、ふたりの連れ子(9歳の長女と4歳の長男)がいたので、ふたりの連れ子の母親がどうしても必要だと親族から言われたので仕方なしに再婚をした。

土佐山田で工場を経営していた両親は、工場を閉鎖・売却と特大豪邸の売却を終えた後、8月頃にもとの家がある坂出市加茂町の家に帰って来た。

その一方で、なつひこの弟のみつひこ(29歳)は大阪府内にある大手企業の工場の雇用契約が満了することと両親がもといた家に帰ることを機会に坂出市にUターンして、地元の段ボール工場に再就職をした。

ゆかこは、再婚後は府中町にあるなつひこの家で生活をしていた。

2019年7月に再入籍をした後、ゆかことなつひこはニンカツをするためにふたりの連れ子を加茂町の実家へ預けていた。

9月1日頃の夜のことであった。

家の居間にて…

この時、みつひこが見たいテレビ番組となつひこのふたりの子供たちが見たいテレビ番組の開始の時間帯が重なっていたので、ふたりの子供たちがチャンネル変えてと言うてわがままをこねていた。

なつひこの母親はみつひこに『おにいちゃんなんだから変えてあげてね。』とやさしく言うて、チャンネルを変えてあげた。

しかし、父親はものすごくフキゲンになっていた。

母親は父親に『みつひこ、おにいちゃんになったのよ…えらいでしょ…』と言うたが、父親はよみかけの四国新聞をまるめて母親に投げつけてから強烈な声で言うた。

「オラオドレ!!」
「あなた…」
「オラオドレ!!今さっきワシに何て言うた!!」
「あなた…どうしてそんなに大声を出すのよ…」
「やかましいだまれ!!オラオドレ!!テイシュに対してなんなんや!!オドレはテイシュにたてつく気でいるのか!?」
「アタシは、みつひこはおにいちゃんになったからえらくなったよと言うただけなのよ。」
「やかましいだまれ!!そんなことよりもなつひこのふたりの子供をいつまで家にいさせるのだ!!ふたりの子供をいつまでも甘やかすなと言うているのに言うことが聞けないのか!!」
「あなた!!なつひこはニンカツ…」
「だまれ!!だまれだまれだまれだまれだまれだーーーーーまーーーーれ!!」

父親は、思い切りキレていたのでテレビのチャンネルを強引に変えた後、ふたりの子供たちに『勉強しろ!!もうすぐ試験なのに勉強しろ!!』と怒鳴り付けて、物を投げつけて追い出した。

父親は、強引にJリーグ中継に変えた後に大音量をあげて、地元チーム・カマタマーレ讃岐の応援をしていた。

母親は、思い切りキレていたので、府中町の家へ電話をかけた。

ところ変わって、府中町のゆかことなつひこの家の居間にて…

(ジリリリリリリリリリリリリン!!ジリリリリリリリリリリリリン!!)

家の居間の電話がけたたましく鳴り響いているのに、なつひこは酒を大量にのんで酔いつぶれていた。

居間の床には、サッポロヱビスビールの空ビン4本が転がっていた。

テーブルの上には、のみかけのサッポロヱビスビールとおつまみの枝豆が大量に置かれていた。

居間のラジオのスピーカーからはJリーグ2部・横浜FCーカマタマーレ讃岐の試合が大音量で聞こえていた。

『ゴール!!前半のアディショナルタイム1分で横浜FC5点目!!』

地元チームのカマタマーレ讃岐が前半で5失点でそのまま後半へ突入することを聞いたなつひこはワーッと叫んで、のみかけのビールが入っているタンブラーを手にとって一気にごくごくとのみほしていた。

そして、瓶の中身を一挙にのみほした後『オラ!!酒!!』と叫んでいたが、家にゆかこがいなかったので家中暴れまわっていた。

ゆかこは、家にいるとなつひこから強烈な暴力を受けてしまうので、家から逃げ出していた。

ところ変わって、JR八十場駅の北東側の国道11号線沿いにあるファミマにて…

ゆかこは、中学の時の親友・りほこと会って、店で買った缶チューハイをのみながらお話をしていた。

ゆかこはくすんくすんと泣いてばかりいたので、りほこは困った表情でこう言うた。

「ゆかこ…ゆかこ、泣いてばかりいたら何が言いたいのか分からないでしょ…ねえゆかこってば…」
「くすんくすんくすん…くすんくすんくすん…」
「ゆかこ…」
「アタシ…今のダンナと暮らすのイヤなの…くすんくすんくすん…くすんくすんくすん…」
「ゆかこ、一体何があったというわけなのよ…ねえ…」
「くすんくすんくすん…ダンナね…この最近…お酒をのんでは…くすんくすんくすん…わけのわからない言葉を並べて暴れてばかり…くすんくすんくすん…アタシ…イヤ…イヤなの…」
「それだったらどうしてリコンしないのよ…」
「リコンできんのよ…アタシの両親がダンナの家から借金しているから、リエンすることができんのよ…くすんくすんくすん…」
「困ったわね…」

ゆかこはこの時、くすんくすんと泣いてばかりいたので落ち着いてお話をすることができなかった。

りほこは、ものすごく困った表情をしていた。

家にいるとなつひこから強烈な暴力を受けてしまう…

なつひこは、ゆかこだけではなくふたりの子供たちにも強烈な暴力をふるっているので、きわめて危険な状態におちいっている…

それなのに、両親はムカンシンでふたりの子供たちを甘やかすだけ甘やかしている…

そうした生ぬるい気持ちが原因で、家族は恐ろしい事件に巻き込まれてしまうのであった。

恐ろしい事件が発生した日は…

13日の金曜日だった。

9月13日の金曜日の午後2時過ぎのことであった。

この日は、なつひこのふたりの子供たちの学校と幼稚園が終わる時間が早い日であったのと同時に、みつひこの職場も午後から市内の中小企業対抗の球技大会があったので、仕事が早く終わっていた。

みつひこは、両親から頼まれてなつひこのふたりの子供たちのお迎えに行っていた。

みつひこの職場から(4歳の長男)がいる幼稚園へ向かう途中の道で、4トンのユニックが横転事故が発生していた。

積み荷が道路に散乱していたので、道路で大規模な渋滞が発生していた。

通り抜けるまでに、多くの時間をついやした。

やっとの思いで幼稚園にたどり着くことができたので、(4歳の長男)を車に乗せて、(9歳の長女)がいる小学校へ向かおうとしていた。

そしたら、今度は水道工事で道路が片側交互通行で信号機が置かれていた。

車は、信号待ちが続いていたので動けなくなってしまった。

(9歳の長女)は、もう待てないと怒ってひとりで帰ると言うて学校から走り去って行った。

それから数分後に、恐ろしいヒョウの覆面をかぶった黒のジャンパーの男に連れ去られてしまった。

その頃、みつひこは信号待ちが続いていたのでものすごくイライラとしていた。

後ろの席に座っている(4歳の長男)がビービービービーと泣いていた。

その時に、小学校から(9歳の長女)がいなくなってしまったと言う知らせを聞いた。

思い切りキレていたみつひこは、アクセルをふかして、赤信号になっているのに関わらずに発進した。

(グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!キキキキキキキキキキキキキキキ!!)

この時、青信号で進行していたマゼンタのアルファロメオとセッショクしそうになっていたが、みつひこが急ハンドルを切ったので、アルファロメオが工事現場のバリケードを突き破った後、工事現場の地下へ転落して、大爆発を起こしてしまった。

(ドカーン!!ドカーン!!ドカーン!!)

ところ変わって、高屋町にあるなつひこの父親の親族の家(本家)にて…

この日は、本家のご先祖さまの遠忌(おんき)で、親族のみなさまが集まっていた。

なつひこの両親は、ものすごく心配そうな表情でみつひこが来ないのでどうしたのかなと思っていた。

「あなた…」
「遅いな…」
「(9歳の長女)がいる小学校にまだ着いていないみたいね…」
「途中の道で水道工事が行われているので、道路が混んでいるとは聞いていたのだけど…」

そこへ、親族の女性がコードレスホンの子機を持って両親のもとへやって来た。

「ケーサツから電話がかかっています。」
「ケーサツ…」

母親がコードレスホンの子機を受け取った後に電話をしていた。

「もしもし…(9歳の長女)の祖母ですが…えっ?(9歳の長女)が森林で…(9歳の長女)がレイプの被害を受けて亡くなったって!!」

(9歳の長女)は、玉越町乃生にあります森林で恐ろしいヒョウの覆面をかぶった黒のジャンパーの男に連れて行かれた後、ボロボロに傷つくまで犯された後に亡くなった。

恐ろしいヒョウの覆面をかぶった黒のジャンパーの男については身元を割り出す証拠が見つかっていないので、香川県警の捜査1課の刑事たちはものすごくイラついていた。

みつひこは工事現場の道路から走り去った後猛、スピードで逃げていたが、白のポンテアックシボレーが交差点の反対側から飛び出してきた後、みつひこが運転しているダイハツタントに向かってベレッタ(シューティング)を発砲した。

(ズダダダダダダダダダダダダダダダ!!キキキキキキキキキキキキキキキ!!キキキキキキキキキキキキキキキ!!)

白のポンテアックシボレーは、工事現場で大破したアルファロメオに乗っていたやくざの男たちの仲間が乗っていた。

みつひこが運転しているダイハツタントは、その後走って来たトレーラーと追突をして大破して、大爆発を起こした。

(ドカーン!!ドカーン!!ドカーン!!)

事件の翌日のことであった。

なつひこのふたりの子供たちとみつひこの遺体が高屋町にある親族の家に運び込まれた。

喪服姿の親族のみなさまのすすり泣く声が居間に聞こえていた。

そんな中であった。

高松城東町にあるファッションヘルス店のオーナーが店の女のコを連れて家にやって来た。

店の女のコは、バナナ色の長袖の服の上からチョコレート色のマタニティ服を着てくすんくすんと泣いていた。

店のオーナーは、なつひこの両親に詰め寄って怒鳴り散らしていた。

「オラオドレ!!どないしてくれるんねん!!オドレの亡くなったセガレがうちの店のかわいい女のコに性的暴力をふるって大ケガを負わせた上にニンシンさせていたそうじゃないか!!どないしてくれるんねん!!どないしてオトシマエをつけるんねん!!」

なつひこの両親は、ものすごく困り果てていた。

この時、店のオーナーがやくざの男たち10人に対して『居間にいる親族たちからゼニ巻き上げてこい!!』と言うたので、やくざの男たち10人が居間にドカドカと上がって行った。

本家の居間は、泥沼の戦場と化した。

なつひこの両親がなつひこのふたりの子供たちを甘やかしたことが原因でまねいた悲劇は、この後もまだまだ続いて行くのであった。

ゆかこは、なつひこの両親から『なつひことリコンしてくれ…』と一方的に突きつけられたのと同時にリコン…いえ、リエンを強要されたので、泣く泣く四国中央市豊岡大町にありますおじ夫婦の家に出戻りとなった。

ゆかこは、おじ夫婦や両親から『結婚せんのだったら働け!!』と言われていたので、気持ちがヒヘイしたままの状態でシューカツをしていた。

9月29日のことであった。

ゆかこは、生きて行く気力を喪って(うしなって)いたのでシューカツを断念してした。

ハローワークで何を言われたのかは分かりませんでしたが、ゆかこはどこへ行っても受け入れて下さるところはないと判断してやめたと思います。

ゆかこは、午後3時頃に三島のバス停の近くにあるフジのパン屋のカフェテリアへ行って、しほこと会って話をしていた。

二人は、アメリカンをのみながらお話をしていたが、ゆかこはぐすんぐすんと泣いてばかりいたので落ち着いてお話をすることができなくなっていた。

しほこは、ぐすんぐすんと泣いてばかりいるゆかこにこう言うた。

「ゆかこ…ねえゆかこってば…」
「ううううう…ううううう…」
「ゆかこ…どうするのよ…どうするのよこれから先…」
「ううううう…ううううう…」
「ゆかこ…泣いてばかりいたら分からないわよ…」
「ううううう…」
「ゆかこ…バイトが見つからない…おじふうふとそりが合わない…結婚してもリコンとサイコンを繰り返す…どうするのよこれから先の人生…アタシたちもうすぐ30代になるのよ…」
「ううううう…ううううう…もういいの…もういいの…」
「もういいのって…」
「アタシ…もういいの…ううううう…再婚してもまた離婚する…就職しても、すぐにやめる…そんなことの繰り返しになるから…何をやってもダメなの…ううううう…」
「ゆかこ…どうするのよこれから先…」

ゆかこは、泣いてばかりいたのでしほこに今の気持ちを伝えることができなかった。

その日の夜のことであった。

豊岡大町の家にて…

おじふうふと両親は、親類の家のお祝い事に行ってもいたので家にはゆかこしかいなかった。

(シューーーーーーーッ!!シューーーーーーーッ!!)

暗い家の中に、ガスが充満していた。

ゆかこは、ガスが充満している暗い部屋に倒れた後、息絶えていた。

深夜11時過ぎに、ゆかこの両親が先に家に帰って来た。

「ゆかこ!!」
「ゆかこ!!」
「あなた大変!!ゆかこが倒れているかもしれないわ!!」
「ゆかこ!!」

両親は、大パニックにおちいっていたので換気をよくするためにドアを開けた。

次の瞬間…

(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!ドカーン!!ドカーン!!)

家は、大規模な爆発を起こした後、炎上した。

(ブーッ!!ブーッ!!ブーッ!!ウーウーウーウー!!カンカンカンカン!!)

深夜の街に強烈なブザー音と消防署のサイレンとハンショウの鐘が鳴り響いている中で、悲劇の幕が下りた。

【終】
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