会長様の秘蜜な溺愛




――…目眩がした。



「…菜穂?」

「…っや…」

「やーだじゃない」



恥ずかしさから身をよじり、制止しようとしても

彼はすべてを見透かした上でわたしに触れる。


……あぁ、

もう

わたしは。



「…ん。イイ子だね」


(…すきだなぁ…っ)



まるでわたしは小さな子どもだ。



…そして彼は

その小さな子どもを諭す親のよう。



(…すき。

…だいすき…っ)



とても優しく

色気を伴ったままの微笑みに、身体の熱がさらに集まる。


彼の腕の中で

身を焦がすような情炎に

ずっと包まれていたいと思った。


胸の奥に在り続ける苦しさに、今だけは蓋をした――…。

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