会長様の秘蜜な溺愛
【Secretly*4】

▼ヒミツな告白




「…うん。そうだったよね」


まるでそれが嘘かのように

最初から無かったかのように

現在、完全無欠の生徒会長を務めている彼。


昨年の彼は暦先輩とともに生徒会役員でありながら

部としてはもちろん、個人の選手賞も幾度となく獲って表彰されていた人だった。


学校での部活表彰の時だって

主将や副主将の3年生とともに、毎回ステージに上がっていたのは絶対に彼だった。


それなのに。

いつからか、その「毎回」は


――…すべてが幻になっていた。



「中学まではヨミさんもやっててさ」

「え…っ?暦先輩ってずっと弓道じゃ…」

「いや。本人は聞かれない限り言わねぇけど、主将がヨミさんで蓮がエースだった。全国ベスト4までいったんだ」


神谷くんのどこか疲れた声色に

わたしの胸が締め付けられる。



「…雨宮のお祖父さんのことは知ってるか?」

「範士…だっけ、凄い実力の持ち主だって」

「そう。ヨミさんはお祖父さんの弓道を受け継ぎたいから、サッカーは中学で辞めるって最初から言ってた」

「…そうだったんだ…」

「…雨宮の家は元々武道一家だし素質もあったんだろうけど。県で一番の強豪って言われる桔梗の弓道部で、今じゃ誰もが認める主将だからな」

「さすが暦先輩だね…!」


「…ん。みんなから言われるそのイメージを守るために、常に完璧に見られるために、裏で血を吐くような努力した結果だ」

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