会長様の秘蜜な溺愛



けたたましいセミではなく、哀愁を含んだヒグラシの声が

淋し気な夏の夕時を物語る。


“菜穂、イイ子だ”


…会長。

花岡さんには、好きだってちゃんと言葉で伝えているのかな。


あの声も

あの腕も

あの表情も

花岡さんは、知っているのかな。



「……会長。

ひっそり好きでいるくらい、許してくださいね…っ」



…会長。


すきです、

…だいすきです…っ。

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