会長様の秘蜜な溺愛
▼ヒミツなキズナ
「あさみんちゃん!大丈夫!?」
「身体平気?」
「もう大丈夫!ありがとう」
土日休みも挟んで、5日振りの登校となった今日。
校舎に入るなり、続々と心配してくれる友達やクラスメイトに声をかけられる。…申し訳ないなと思いつつとても嬉しかった。
5日間のあいだ、意識せずとも考えたことはたくさんあった。
花岡さんのこと。
会長のこと。
…神谷くんと、ちゃんと向き合うべきだということ。
「あの子でしょ、姫里かばって階段から落ちたっていう」
「そう!それでプリンス弟にお姫様抱っこされた子!」
「………。」
周りの視線が痛くて身を縮こませるわたしは
恥ずかしい感情を携えて足早に歩く。
「よく一緒にいるの見るよねー。付き合ってんのかな?」
「ぽいよね。まぁお似合いなんじゃない?」
「先輩たち、そう見えましたー?なら嬉しいっす。――…俺の片想いなんすよ」
「「プリンス弟!!」」
わたしを好きでいてくれる彼の声は
わたしの頭を撫でて置かれるその手は
…いつだって、優しい。