会長様の秘蜜な溺愛
――…蓮たちが小1の時、姫里が誘拐されかけたことがある。
蓮と暦のサッカーがなく
麗と奏も含め、5人で公園にてかくれんぼをした日。
その可愛さに目を付けた男に
無理やり連れていかれそうになったのを
間一髪、通りかかった大人により助けられた。
…小さな背中が震え、涙をぽろぽろ流す姿を
麗は今も鮮明に覚えている。
暦と麗が姫里と打ち解けるまで
片時も蓮のそばを離れなかったほどの姫里が
蓮と同じ場所に隠れようと思うのは、ある意味必然。
その時に限って他の場所に隠れるようにと姫里を拒絶した蓮は
自分があんなことを言わなければ、彼女が怖い思いをすることも無かったのだと
“もう独りにしないで”と泣きながら訴える姫里を見て、自分を責め続けたのだった。