会長様の秘蜜な溺愛



――…蓮たちが小1の時、姫里が誘拐されかけたことがある。



蓮と暦のサッカーがなく

麗と奏も含め、5人で公園にてかくれんぼをした日。



その可愛さに目を付けた男に

無理やり連れていかれそうになったのを

間一髪、通りかかった大人により助けられた。


…小さな背中が震え、涙をぽろぽろ流す姿を

麗は今も鮮明に覚えている。


暦と麗が姫里と打ち解けるまで

片時も蓮のそばを離れなかったほどの姫里が

蓮と同じ場所に隠れようと思うのは、ある意味必然。


その時に限って他の場所に隠れるようにと姫里を拒絶した蓮は

自分があんなことを言わなければ、彼女が怖い思いをすることも無かったのだと


“もう独りにしないで”と泣きながら訴える姫里を見て、自分を責め続けたのだった。

< 265 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop