会長様の秘蜜な溺愛
【Secretly*5】

▼ヒミツなココロ







放課後


「神谷くん、ここが鍵かかってないって知ってたの…!?」

「え、麻見も知ってたのかよ」

「…まぁ…」

「ふはっ。知ってるヤツ少ねぇよな」



昼休みが終わった後から今まで

本当に、いつも通りの神谷くんだった。



…以前会長に呼ばれて

鍵がかかっていないことを知った数学資料室。


彼の弟である神谷くんとまた来ることになるとは、これっぽっちも思っていなかった。



「麻見」

「っ、」

「別に、言いたいこと言ってくれればいーよ」



わたしがよく知っているその笑顔。

自分から話があると言っておいて、途端に唇が重くなった緊張に俯いてしまう。


…向き合わなくちゃ。


「…、…わたしは、神谷くんの気持ちには、答えられないです」

「っ、」

「……わたしは、っ好きな人が、います…。っごめんなさい…っ!」



神谷くんに嘘はつきたくない。

…後にそれが、どんな変化を生もうとも。

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