会長様の秘蜜な溺愛
彼はその整った顔立ちをはじめ、非の打ち所がないことから「プリンス」なんて呼ばれている。
会長業を凛々しくこなす反面、常に見え隠れする影のようなクールさが際立っていて。そして何より常に感じさせる、その麗しさ。
そういった何よりもの事実からくる「プリンス」という言葉に、首を傾ける人間など存在しないのだ。
今までも、…きっとこれからだって。
(…よし。)
身から出た錆を大きく呑み込めば
あとはもう覚悟を決めるだけだった。
――コンコン
「はい」
「っ…失礼、します…」