会長様の秘蜜な溺愛
わたしの方が身長高いし、腕をまわせば完全に彼氏役。
…でもそんな光景も良いのかなと思って、また笑顔になった。
「姫里のことも呼び捨てでいいよ、菜穂ちゃんとお友達だからっ」
「…ふふっ。さすがに先輩を呼び捨ては遠慮します。姫里さんって呼ばせてください」
「わぁっ、姫里さんだって!」
「はい」
「日向くん以来2人目だよ!えへへっ、女の子に姫里さんって呼ばれるんだぁ!」
嬉しそうに声を弾ませる彼女に
何だかこっちまで嬉しくなってくる。
「菜穂ちゃん。姫里今日ヨミくんと2人で登校したんだけどね、蓮くんはもう生徒会室にいると思うよ」
「っ!」
「会いに行ってあげて。蓮くんってば菜穂ちゃんに会いたいくせに、意地張ってるんだからぁ」
「…姫里さん…」
「うん。小さい頃からずっと、――…蓮くんのお姫様は菜穂ちゃんだけだよ」
強引で、何を考えているのか読めない人だったけど
わたしを見てくれるその瞳は
わたしを包み込んでくれるその身体は
わたしを虜にさせるその声色は
確かに、すべて、本物だった。
「ありがとうございました…っ!」
「ううん、それは姫里の台詞だよ!
…っ、菜穂ちゃんなら絶対!!ぜぇーったい大丈夫だからねぇーっ!!」
…会長。
…っ会長…。