会長様の秘蜜な溺愛



獣の眼光に射貫かれたまま

熱を含んだ低音が、ひどく愛しげにわたしを見つめる。


わたしの胸の奥にあるそのくすぐったさを

色気を放ち美しく微笑む彼は、間違いなく見透かしていた。


「これは、

オレたちだけのヒミツだよ」


そうしていたずらっ子のように笑い、わたしの唇にそっと人差し指を添える。

どこまでも綺麗で、妖艶で、魅入って呼吸を忘れるほどに。


やさしくて柔らかな唇が触れ合う静寂に

ぼんやりとした思考の中、思う。



もう、絶対に戻れはしない――…。

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