会長様の秘蜜な溺愛
「…あ、あぁ!そうでした。忘れてました」
「んもうー。麻見さん、神谷くんと知り合いだったのね?雨宮さんの繋がりかしら?」
「いえ、偶然頼まれただけで…全然話したことないです。
…わたしじゃなくて他の人が居合わせていたら、その人に頼んでいたと思います」
自分で目が細まったのが分かるほど、ひどく機械的な声色だったと思う。
釘を刺されたような気がした。
胸の真ん中に冷たいものが落ちるような感覚がした。
「責任持ってお届けしますね」
「ごめんなさいね。よろしく頼むわ」
【来る時ミルクティー買っておいで】
…届いたメッセージに思う。
何を勘違いしそうになっているんだ。
彼が、わたしなんかを、本当に好きなわけがない。