23時41分6秒



冷たい墓石に触れて目を閉じると
瞼の裏に母の優しい笑顔が浮かんでいる。


二年経った今でも私はまだ
母の私を受け入れることができない。


これはきっと悪い夢でいつかそのうち
母はひょっこりと帰ってくるだろう。


そしてあの愛おしい笑顔で
悪びれる様子もなくこう言うのだ。



「ちょっと遠くへでかけていたの。
 ひとりにしてごめんね」


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