23時41分6秒
I



「お母さん」



今は亡き最愛の人の墓前で語りかける。



四季折々で全く違う姿を見せる
思い出が詰まったこの町で
その人は眠っている。


永遠に待てど来ない母の帰りを
待ちながら私は生きている。


いくら語りかけても、どんなに願っても
もう二度と母は戻っては来ない。


頭ではわかっていながらも自然に
この場所へと導かれるように
赴いてしまう。


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