蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
エレベーターでロビーまで降りた
ホテルの中庭の桜がライトアップされてた
春の夜風が吹いた
「紅、寒くない?」
「うん…
でも、手繋ぎたい」
私が言うと
瞬は優しく手を差し出してくれた
「紅と旅行来れると思ってなかったから
嬉しかった」
「私も、瞬とずっと一緒にいれて、嬉しい」
「無理してない?
さっきも言ったけど
紅は無理して背伸びしなくていいから…
…
結婚も紅のペースに合わせてでいい
オレ、なんか焦ってプロポーズしたけど
紅の負担になってないかな…って
今更だけど…」
「うん…ありがとう
でも、高校卒業したら結婚したいのは
本当だよ」
「…ありがとう
また、どこか出かけよう
今度は、ふたりで…」
「うん」
ふたりで…
そう言った瞬の顔が
すごく優しくて
この人を好きになってよかった
私は、嬉しくなった