蒼くて、紅い… 甘くて、苦い…
➖瞬➖
部屋に戻ると亮たちはまだいなかった
紅がくしゃみをした
「大丈夫?
やっぱり寒かった?」
「うん、ちょっと寒くなった」
「なんか温かいの飲む?」
「…いらない」
そう言って紅はオレの浴衣を掴んだ
「…亮さんたち帰ってくるまででいいから…
… 抱きしめてほしい」
囁くような声だったけど
抱きしめてほしい…
確かにそう言った
オレは、ゆっくり紅を抱きしめた
「あったかい…瞬」
紅が言った
かわいい…
「瞬…キスしたい」
紅が目を閉じた
ーーーーー
「瞬…」
ーーーーー
2度目は紅からしてきた
そう、オレたちはオレたちのペースで
紅のペースでいんだよ…
中学生だった紅が
こんなに成長してる
少しずつオレに追い付こうとしてる
オレのことを愛してくれてる
「紅…好き…」
ーーーーー
紅の身体が熱くなったのがわかった
紅がオレから離れた
「亮さんたち、来ちゃうね…」
紅が恥ずかしそうに言った
オレも我にかえって恥ずかしくなった
紅が離れてなかったら…
離れなかったら…
布団を持ってきて紅に掛けた
「ありがとう」
照れ隠しか、紅は布団で顔を隠した
「オレ、飲み物買ってくるね
紅、何がいい?」
「…いらない」
布団の中から声がした
「じゃあ、オレの飲み物なんか買ってくる」
なんとなくオレは、部屋から出た