逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
久しぶりの自分の部屋。
落ち着いたけど、蓮さんの話とやらが気になった。
今更だし、別れるなら、きっちり話し合いがいいよね。

シャワーを済ませて、スーツケースを整理したり。
彼との約束寸前、コーヒーを入れて待った。

パリで見つけた、蓮さんへのお土産。
あの時は自分の気持ちを整理しようと蓮さんのことばかり考えていたから、つい蓮さんへ合いそうと偶然通りがかったセレクトショップ。
メンズ小物の中でキレイな革製のお財布。
飛び出すようにパリへきたけど、あの時はお土産を買うだけの想いはあった。
なのに、あの後気持ちを伝えた時の電話でのやり取りのせいですっかり冷静になったようだ。。

まあ、お兄ちゃんにでもあげるかとリボンのついた箱を机に置いた。


しばらくしてチャイムがなり、約束の時間。


「お邪魔します。」

「どうぞ。」

リビングへ通して、落としていたコーヒーを入れた。

「ありがとう。旅行は楽しかった?」

「ええ。とっても。」

「その、あの時は電話ありがとう。それとごめん。言い訳はしない。
あの時は自分の部屋にいて、あの声の主もいた。」
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