逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
は?
どれ?誰のこと?

「お兄さんがメイが友達とスイスで集まっている写真を見せてくれた。」

あ、同窓会。誰かがネットワーク上であげて、巡り巡って兄の目に入ったのか。

「あれは、同窓会で。色恋はない。」

「君は無くても相手は分からないだろう。」

「そんなこと、あなたも一緒じゃない。
あなたにその気が無くても、相手は分かんないでしょ?」

「そもそも、この前の二人はどちらも既婚者だ。一人は友人の妻で、もう一人はオレの姉だ。」

「あ、姉?」

「三つ上の姉だ。芽衣が居なくなってグダグダしてたら様子見に来て、酔っ払って思いっきりバカ呼ばわりされた。あの日はそのまま飲んだくれて、朝ごはん作ってくれた。
ほんと、間が悪いっつーの。」

はは、バカらしい。
なんで、そんなことに振り回されて、何日も何日も落ち込んで…。

無駄に心配して気持ちが潰されそうで、怒ってないと苦しくって。

なんなの?ほんと。

バカらしくて、涙が知らない間に出てた。

見られたくなくて、窓の方へ立ち上がって背を向けた。
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