逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
その心配顔が可笑しくって、

「うーん。引くってことはないけど。
思ってた以上に私は好かれてたんだなって…。
愛されてるなあって実感した、かな。」

茶目っ気たっぷりで言ってみたら、

「最初っから言ってただろう。やっと芽衣が手に入ったって…。
だから、今夜は俺の愛をしっかり自覚してもらわないとね。
山に籠って冬眠でもされたら大変だから…。」

茶目っ気たっぷりでお返しされた。

「そうか、今回は冬眠しなかったけど、次回落ち込んだら冬眠もいいわね。
雪解けまでぜーったい動かないだろうし。」

私も負けない。

「なっ、怖いこと言うなよ…。
はー、オレいつも負け試合ばかりかも。」

「まあ、そう落ち込まないで!
元気になるか分からないけど、仲直りに…」

彼へおいでおいでポーズをして、耳元にこっそり囁いた。
“露天風呂一緒に入ろう。”

ガックリしていた彼が、途端に照れて、私から言うとは思わなかったのか
すごく嬉しそうにした。と思ったら、次の行動は早かった。
一気に抱き抱え、行動。
びっくりした私は、
「きゃあ!」

って叫んで不満を漏らしたけど、彼は超ご機嫌だった。
この人、本当はすごくわかりやすいのかもしれない。

それから、明け方まで寝かせてもらえなかったのは言うまでもなく、彼は見事に信頼回復したのです。出来るビジネスマン、流石です。



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