逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
父は柾木社長と話しをしてくると。
兄はマンションへ戻らず、実家へ戻れと言った。
警備を強化して身の安全をと。

「ベルモアの王子は友人なんだな?俺が会える機会は作れるか?
それと、この食事会を蓮くんは知っていたのか?」

「蓮さんには報告して会いました。もともとロベルトは蓮さんも一緒にって誘ってくれたから。
彼が宿泊しているホテルのレストランで食事して帰りました。
SPもいるので二人きりではなかったし。ホテルの従業員だって分かるはず。
食事後、運転手の車で帰宅しました。
もし、ロベルトに会いたいなら、今度着物を紹介する予定です、会えないかもしれないけど…。」

「分かった。
それで蓮くんとモデルの関係は?」

「知りません。大阪出張とだけは聞いていたけど…。
ほんと、会社に迷惑かけてごめんなさい…。
今後、どうなるか考えます。」

「芽衣…。お兄ちゃんは芽衣の幸せだけが望みだ。
父さんも母さんも。結婚のこと、焦らずよく考えてみろ。
付き合ってから、いつも振り回しているのは芽衣のようだけど、きっかけは蓮くんだろう。
一度ある奴は何度も繰り返す。脇が甘いんだ。

もっと、他を見て結婚を決めたっていい。
まだ25だし。仕事したいなら、うちで働いてもいい。
日本が嫌なら、海外支社でもいいんだ。」

「結婚早まったかな…。ごめんね。心配かけて…。」

俯いたら、涙が落ちた。

「大丈夫だ。公にもしてない、結納もまだだ。じっくり結論を出せ。
みんな味方だ。」
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