逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
それから何度も電話があった。
“ちがうんだ”
“誤解だ”
“話し合おう”

並べられる言葉が薄っぺらで、

“うん”
“うん”
“うん” しか、返事が出来ず。
結局
“あの写真は別人なの?”って尋ねたら否定しなかった。

心が凍りついたように、一気に冷めた。


「もう私だけの問題じゃない。弁護士を通して。」



それから、実家で暮らし始めた。
何度か、実家へも訪ねてきたけど、家族が門前払い。

あちらのご家族とは、ビジネス上は今まで通りでと。
私の件は、事前に蓮さんが知っていたこと、九条家の付き合いとして、彼と食事会をしていたことで
話しは問題なく済んだ。
モデルとの経緯を蓮さんが話さないらしく、それが事実なのだろうと解釈した我が家は、彼をシャットアウト。
両家では、口約束とはいえ婚約は事実上白紙となった。

結局、私たちはなんの話しもしていない。あっけなく終わったようだ。

その後、彼から電話もメールも来なくなった。

それに耐えられなくなって、しばらくして携帯番号を変えた。
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