雪女に惚れられた!2
「あなた、テイザー銃を忘れていってる!」

「えっ?あっ……」

どうやら机の上に置きっぱなしにしてしまったようだ。ユキナが微笑み、手渡す。イギリスの警察は、拳銃を所持していない。代わりにテイザー銃を使う。

「珍しいわね。あなたが忘れ物なんて」

ユキナの微笑みに、ジェファーソンは「あ、ありがとう」と顔をさらに赤くした。

ユキナは、警視庁内で雪女と密かに呼ばれている。それはジェファーソンを一途に想い、じっくりとアプローチをする様子が雪女のようだからだ。

ジェファーソンは最初、なぜユキナのことを同僚たちがそう呼ぶのかわからなかった。しかし、最近ようやくわかったのだ。

ユキナに触れられ、最近は胸を高鳴らせることも多くなった。もともと女性慣れはしていない。

「私も後から行くわ」

ユキナはそう言い、戻って行った。ジェファーソンは慌てて気持ちを切り替え、横で未だにニヤニヤしたままの同僚を引きずって現場に向かったのだった。
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