見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
彼と二人きりで話すのは緊張すると思っていたから丁度いい。
従姉妹も交えて会話した後でなら、緊張も解けて彼とも話がし易いはず__。


そう思うからこそ応じたのだ。
その時の私には、親しげな二人の様子を振り返る余裕すらなかった。



席に着いた私達は、お互いの関係性について話し合い、ビックリしたように顔を見合わせた。


「堀川さんが会社の副社長!?…嘘っ!いつの間にそんなに出世したの!?」


目を見張る菖さんは、自分を落ち付けようとしたのか勢いよくコーヒーを啜る。


「嘘って言い方はないだろ。俺は大学時代から、『会社の御曹司だ』といつも言っていたじゃないか」

「あれはてっきり嘘か冗談だと思ってたのよ。まさか、会社の御曹司がワンダーフォーゲル部に所属するなんて、思ってもみなかったから」


あれ本当だったんだ…と呟く菖さん。

彼女は私の父の姉の子供で、五年くらい前に自分が勤める会社の海外支社へ旅立ったきり、顔も合わさない日々が続いていた。


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