見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「別に人に好意を持つことは悪いことじゃない。その人が自分の為に動いてくれてると思えば、誰だって好意を持つことはあり得る」


ただ、それが仕事上での義務だと理解できるかどうかは人による……と冷静な判断を加える。

今回の場合、高吉君がそれを出来なかっただけで、それは別に神野の責任ではない、…とキッパリ言い切ってくれた。


「だから、彼を思って悩む必要はない。態度もこれまでと同じでいいし、あいつも馬鹿じゃないんだから、ちゃんと学習はした筈だ」


そう話しているところへ前菜の皿が届いた。
真っ白なプレートに盛られたのは、リボン状に削られた根野菜で、彩りの綺麗な食用花も一緒に飾られてある。


「とにかく先に食事しよう。嫉妬しながら食べても味が不味くなるだけだ」

「は…?」

「いや、とにかく食べよう」


置かれた箸を手にして、ごぼうを口に運ぶ副社長。
そんな彼を視界に入れ、発せられた言葉を胸にしながら私は無言で人参を齧った。


本当は、今言われた言葉の意味を、すぐにでも訊いて確かめたい気分だった。

「嫉妬」いう言葉が聞き間違えでなければ、ひょっとして彼が…?と異様に胸が鳴ってしまった。



< 155 / 325 >

この作品をシェア

pagetop