見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
翌朝、疑問を引き摺ったまま出勤した。

昨日の葉山さんのことや高吉君について、今日こそ千之さんに訊ねてみようと意気込んでいたけれど、月末に行われる退職者の餞別式や懇親会のことで忙しく、彼を訪ねて行く時間は持てなかった。


そもそも決まった人事について、今更自分があれこれ彼に訊くのはおかしい気もする。
あの紙に名前の上がっている人達は皆、内示を先に受け、それを了承したからこそ、報告書は貼り出されているのだから。



だから、今更……と掲示板を見上げては息を吐く。

脳内では数ヶ月前、病気から復帰してきた頃の高吉君の緊張した面持ちや、昨日の綺麗な葉山さんの笑顔が思い出され、複雑な心境になっては紙を見上げて息を吐き出す……を繰り返していた。



ようやく退勤時間が来て、私は千之さんのマンションへ向かった。

当然、宿泊の用意もして向かったけれど、彼はなかなか戻ってこず、俯いたまま玄関先のホールで待ちぼうけを食らうことになった。


彼を待ちながら、いつ帰ってくるのだろう…と弱気になる。

こんな事ならオフィスを出る前に彼に連絡を入れておけば良かった…と後悔し、肩を落として溜息を吐いた。


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