見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜＊おまけ終了＊

結婚したら、男はどうせ相手の言いなりになってしまうんですから…と言われ、ますます余計なお世話だと顔を背けた。


「もういいから。さっさと続きを言えよ」


持っている書類を指差して促せば、「ちぇっ、詰まらない」と小声が戻る。


「何だと」


凄んで見せると知らん顔され、手に持った決算書類の説明を始めた。
間もなく始まる株主総会に向け、前年度の収支決算に目を通していたところなのだ。



「そうそう。一つ大事なことを思い出しました」


支出報告をしていた堂本は読み上げるのをやめ、急に俺の方へ顔を向け直した。


「今年は二年に一度の社員旅行があるんですよ。今年は一体、何処へ行く予定ですかね」


先々週回ってきた回覧のことを思い出したらしく、聞いてませんか？と訊ねてくる。


「そんなの俺が知るか」


怒ったように答えると、また「詰まらない」と呟き、支出報告に再び戻っていく。

その声を聞きながら俺は先週末のことを思い出し、気分が重くなって、軽い溜息を漏らしてしまった。