見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「私は、あの…」


言い訳に似た言葉を発しようとしたが、迷惑を掛けたのは確かだし、今更それを言ったところで何になると思うと声も出せなくなる。

無言になる私を副社長がちらっと目配せする。
その雰囲気を感じ取った私は、ぐっと声を堪えてこう続けた。


「……その節は大変なご迷惑をお掛けして、すみませんでした。キャンプ場のことは、後でまた詳しい内容をお知らせ致します。特別用意する物は無いとは思うんですけど、あればまた、参加者全員に向けた紙を配布しますので……」


そちらでご確認下さい、と頭を下げて部屋を出た。
出ると丁度十二時になったらしく、秘書課の人達は各自の椅子から立ち上がって、移動するところだった。



「副社長に何か言われた?」


部屋から出てきた私の顔色を確認して、堂本さんが探りを入れてくる。
私はそれに「いいえ」と返事して、「失礼します」と秘書課を後にした。




廊下を歩きながら副社長の言葉を反芻。

彼に、酒乱とか変態じみてる、と言われたのは、かなりショックだった。

自分にはまるで意識のない時でのことだったし、それにはちゃんと理由もあったのだが話せなくて。


< 40 / 325 >

この作品をシェア

pagetop