メリークリスマス!
「あっ!」
かすかに赤ちゃんが動いたことを感じて大悟が目を丸くして喜ぶ。
「動いたな!動いたろ?」
大喜びの大悟に莉子は微笑みながら頷いた。
「聞いてるか?パパだぞ。」
お腹に向かって話しかける大悟の表情はすっかり父親の顔だ。
「生まれたら髪はパパが切るからな。男ならかっこよく、女の子ならかわいくするからな。おーい聞いてるか?」
莉子はお腹に話しかける大悟の髪をそっと撫でた。

大悟が莉子の方を見る。
無邪気に笑う大悟の顔を見ていると生まれる子は大悟に似てほしいと思った。

「大悟。」
「ん?」
「アイス食べたい。」
急に甘えたくなった莉子がそういうと大悟はさらに微笑んで
「じゃあ、一緒に風呂に入ってからアイス、食べようか。ケーキは無理でもアイスは食べられるかもしないかと思って買ってあるんだ。」
といった。
「さすが」
莉子も微笑む。

二人は一つのアイスクリームを食べながら次のクリスマスへの期待を胸に過ごした。
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