メリークリスマス!
「ただいま」
その声に陽咲は空を見ていた視線を玄関の方へと移した。

リビングの扉があくとそこからはスーツ姿の蓮がネクタイを緩めながら入ってきた。
「おかえりなさい」
陽咲が微笑むと蓮も微笑んだ。

蓮の表情は陽咲からすぐにその横にある大きなツリーに視線がうつり険しくなる。
「お前、もしかしてこれ一人で運んだんじゃないだろうな。」
「反応、悪すぎ。」
蓮の表情を見て陽咲が不機嫌に頬を膨らませた。
「当たり前だろ?もう臨月なんだぞ?いつ生まれてもおかしくないのにこんなでかいの運んで何かあったらどうすんだ。」
陽咲は自分の大きなお腹に触れながらさらに頬を膨らませた。
「大丈夫だもん。」
「もしもの話だろ?お腹張ったりしてないか?全く自覚が足りないぞ。」
蓮の言葉に陽咲は悲しそうな顔をして
「もう知らない!」
と寝室に駆け込み扉を閉めてしまった。
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