メリークリスマス!
「あっ」
陽咲が声をあげて蓮が驚く。
「どうした?」
蓮が聞き返しても陽咲は答えないままリビングのカーテンを開けた。



外では夜空から真っ白な雪が降っていた。

後ろから陽咲の体を抱きしめながら蓮も雪を見る。

蓮も空を見上げた。


紅葉色の彼女も今頃空で同じように雪を見ているのだろうか・・・


過去にとらわれそうになると、自分の腕のなかの陽咲のぬくもりに現実に引き戻される。

「愛してる」
そっと耳元でささやくと耳まで赤くしながら陽咲は笑った。
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