メリークリスマス!
「いつもありがとうな。」
「ん?」
「家のこと、俺は仕事ばっかりで任せきりだからさ」
「うんん。啓吾さんこそ、仕事いつもお疲れ様。ありがとう。」
「どういたしまして。」
啓吾は栞菜の体を自分の方へ抱き寄せるとそっと口づけを交わした。

「・・・んく・・・・」
ベビーベッドから聞こえる声に慌てて二人が赤ちゃんを見ると、口を動かしながらすやすやと眠っていた。
「夢の中でもおっぱい飲んでるのかな」
「幸せだな~」
二人は思わず目をあわせて笑いあった。

こんな幸せがあたりまえではないことを二人は知っている。

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